2014年5月29日木曜日

ツバメは6日で


神様は7日で世界を作ったらしいけれど、ツバメはもっと早く家を作った。足掛け6日だ。ここで子育てをするらしい。いや、それ以外にこの巣の意味はなかろう。トイレもない、風呂もない、台所もなし。むろん食卓もない。アッ、屋根はある。でもヒトん家の屋根だ。私が家を建てた時に悩んだ事柄はすべて排除してある。立派でエコな設計思想だ。我々ヒト人類だって数万年前からこうして簡単な家を建てて子育てをしては住み捨てて移動してきたに違いない。アフリカから出発して南米の果てまではびこることが出来たのはそのせいだろう。便所のない住人を見上げてフンを警戒しながら「どうして、そこまでして子育てをするのか?」と聞いてみた。千キロも二千キロもを一気に飛ぶ力のあるにしてはなで肩の相手は、遠くを見て、少し考えて、それから「なんで子育てをするのかぁ?その答え、あなた方ヒトだって、これといった理由を持っているわけじゃあるまい」と言う。言われてみればその通りだ。「軒先を貸した相手に教えられ。」


2014年5月24日土曜日

今日の仕事

朝の外壁を見れば、ツバメは巣作りに取り掛かっている。夕刻に見上げれば目に見えて進展している。よく見ればドロが乾いた所に新しい泥を付けるというやりかたらしい。これだけを見ればまるで油絵の具を使う画家のようではないかと思ったことだ。これがツバメの一日の仕事。
さて私の今日の仕事といえば、「ムスメが紹介したいという人物と会う」事だった。「タダイマ」と帰省したムスメは二年ぶりのご帰還だ。おとなしく座っているお二人を前に「それでどちらもそれでエエと思っているのか?」と裁判官みたいな聞き方をすれば互いに互いを見たりして「イイという」これではどうしょうもない。この病につける薬は古今東西有ったことがないのである。

ツバメにしてもムスメにしても新しい巣を作るのに忙しいみたいだ。

朝の絵


 
夕方の絵

2014年5月22日木曜日

カラス来たりて羽を落とす

犬どもの所に行ったらこんなものが落ちていた。どうやらカラスの来たりて犬ども餌を食っているらしい事を発見した(そういえば乱暴な羽音が聞こえていた)。記念に一枚。犬の警備が軽微であることの証拠に一枚。それにしても見事な造形である。これまでもこれからもこれを作れと言われてもヒトには出来はしないだろう。軽くて丈夫そうである、おまけに美しい。増長満のヒトは「原発」でも「戦闘」でもコントロール出来ると言い言いするけれど、これを作る事が出来てから言うべきだろう。

2014年5月21日水曜日

東風(こち)

午後、東からの風(コチ)が吹いていた。暫くすると雨。窓という窓を閉め雨音だけを聞いていると「雨漏りのしない家に住む」という幸せがじんわり滲みてくる。幸福って案外簡単なものじゃないかしら。

さて、そんな個人的感慨を別に、この雨は「慈雨」というべきであろう。野菜苗を定植して水をやり続けていたヒトは、もう水やりはしなくてもよくなった。稲を植えたヒトは水口を開ける手間が省けた。これからの田植えには田に水を貼る手間が掛からぬ。夏には木の間を過ぎてくる風が、冬には母親の懐の温もりが我々には心地よい、まことに我々の快適は単純である。

2014年5月19日月曜日

冷や飯の朝飯

冷や飯を茶椀によそおい、水を(あれば湯を)かけて、サラサラと流し込む。それが朝飯。そんなツレアイともう三十年暮らしている。昨晩の事、犬の散歩に付き合った。彼女の職場仲間は飼い犬にお金をかけるのだと言う。旦那にかけるよりも手間も暇もをかけるのだという。「?」としていると「犬は会えば嬉しげに尾を振るし、ご飯だって遅れても辛抱強く待っている。何より飼い主たる彼女を(頼り)眩しげに見る。こんな旦那はまず居ない」という。「それでも若い時は旦那に手間を掛ける喜びも有ったんじゃないのか?」と問えば。「オンナもひと年取れば、実利を優先するようになるの」だ、と言う。質実剛健、率直無碍。理屈よりも飯粒。こんな性格がさまざまなクニの「近代化」を支えてきたのだろう。と思いながら付いていったものだった。離れて行き場を見失った野良犬のように見上げれば夜の中空には月が~。

2014年5月10日土曜日

2014年5月10日朝

まだ薄暗い早朝、寝床で食い物の事を考えていた。昨日の晩飯の残り物は何か、冷蔵庫の中に何があるか、家族の体調はどうか、冷や飯は少しある、飯を炊くか、どうするか。悩みといえばそんなこと。どうやら、我家に限っても食うことには困っていなくて、食い方に悩みはあるらしい。食料不足の危機が云々されていて、飢えているヒトが数億?というこの地球で、まことにもったいなくも贅沢な悩みではある。とそこまで考えて、それからヒト人類の食料の絶対量は足りないかもしれない、けれども、分配の仕方を工夫すれば今少しはしのげるのではなかろうかと思った。総量とそれの分配。さて起きだすとするか。